生産性向上に向けて(1) ~実務レベルから見た大切なこと~
こんにちは。皆川芳輝です。
私が「生産性向上」という言葉を聞いてからもう何十年にもなります。それほどまでに重要な概念なのは確かで、特にこの2~3年は、「働き方改革」の号令のもと強く意識させられているかと思います。(ソリューションとして、残業削減が目的化してしまったお粗末なケースもあるようですが深くは触れません)
以下、話を進めるために、簡単に生産性の定義をしておきます。
ここでは、インプットに対してどれだけアウトプットが出せたか、すなわち、
生産性 = アウトプット ÷ インプット
としておきます。
したがって、生産性を上げるためには、分子(アウトプット)を大きくする、または、分母(インプット)を小さくすればよいことがわかります。
ではどうすれば、アウトプットを大きくする、またはインプットを小さくできるでしょうか?
例えば、以下のような方法があります。
まず仕事をするに当たってフェーズ分けをします。頭で考えるフェーズと身体を使うフェーズです。
現場にはいろいろな仕事が玉石混交となって現れますが、この最初の頭を使うフェーズが一番重要です。
“本質的にやるべき仕事かどうかを見極める”つまり“優先度を決める”
ポイントはアウトプットを大きくすることにどれほど寄与するかという視点で考える必要がある点です。生産性の式で言えば、分子を大きくする視点です。これはビジネスの目的を正しく理解していないと判断を誤ります。
少なくとも高付加価値の創出を期待されている立場の人はこれができなければ失格です。
しかし、この能力が弱い人は少なくありません。するとどうなるか?
見極めができない→計画が破綻する→無理・無駄な残業→本当に大事な仕事が遅れる→生産性低下
どこかで見かけたことのある光景かもしれませんが、このような上司を持ってしまったら悲劇としか言いようがありません。早く別れられるように祈りましょう(涙)。
本質的にやるべき仕事かどうか見極めがついたら後は身体を動かすだけです。
身体を動かすといっても肉体労働に限りません。ここでも頭は使いますがそのモードが違います。
このフェーズで重要なことは、いかに効率的にさばくか、無駄なく動くかということです。生産性の式で言えば、分母を小さくする視点です。
「頭で効果的な仕事の配分を考え、身体で効率的にさばく」
このようにフェーズを分けて考えると、効果的・効率的に仕事をすることができ、結果的に生産性が向上することになります。
仕事に着手する前に一度立ち止まって考えてみることをお薦めする次第です。