微分と積分 ~PMに必要な資質~
こんにちは。皆川芳輝です。
あれは確か高校時代、数学の授業で微分や積分というものを習ったときのことです。
そのとき先生がダジャレトークで、
微分とは“微(かす)かに分かる”こと、
積分とは“分かった積もり”のこと、
と言っていたのを記憶しています。
なんでこんなことを思い出したかというと、社会人になって仕事をするようになって気づいたことがあります。分かっていないのに分かった積もりになっている人が意外と多いということを。
他愛もない状況ではいいのですが、ビジネスのシチュエーションではこれが悲劇につながることがあります。ビジネスには価値を提供する側(ベンダー)と提供される側(お客様)がいます。この二者を軸に以下のようなマトリックスを作ってみます。するとパターンは4種類あります。
① クライアント「分かっている」×ベンダー「分かっている」
② クライアント「分かっている積もり」×ベンダー「分かっている」
③ クライアント「分かっている」×ベンダー「分かっている積もり」
④ クライアント「分かっている積もり」×ベンダー「分かっている積もり」
さてこのなかで優劣をつけるとどうなるでしょう?
一般論としては、
①は最高のパフォーマンスが得られそうです。
②はベンダー主導で動けばよい結果になりそうです。
③はよい結果につながらなさそうですが、そもそもこのようなベンダーには頼まないのでプロジェクト自体が生まれなさそうです。
④ですが、これが一番問題です。すり合わせが甘いために迷走する予感がします。
分かった積もりの怖いところは思い込みが入り込んでしまうことです。思い込みが入ると再確認を怠ったりしがちになるからです。分かった積もりになって暴走してしまうのは悲劇の始まりです。
分かった積もりよりも微かに分かる方がリスクが少なくて済みます。微(かす)かに分かったら、調べるなり、質問するなりして、正しく分かるようにする、地味ながらこの繰り返しが成果につながる道ではないかと考えています。